現代のインフラがコンポーザビリティ、ソフトウェア定義モデル、ハイブリッド・クラウド戦略へと進化するにつれ、ストレージ・アーキテクチャ、特にオールフラッシュ・ストレージがサーバーの選定にどのように関わるのかを考慮することが、ますます重要になっています。
ブレード、ラック、タワーのサーバーは通常、データセンターやエンタープライズ環境で使用されていますが、個人ユーザーが小規模な自宅やオフィスのネットワーク構築に活用できます。オンプレミス・ネットワークを構築するための場所や人員が不足している場合、プロバイダからラック・サーバーやブレード・サーバーの機器をリースすることで、コストや運用負荷を抑えるメリットが得られます。オンプレミスのインフラを構築する前に、これらのサーバーの違いや、それぞれの長所と短所を理解することをおすすめします。
これらのサーバーの種類と、それらが今日のデータセンターのニーズとどのように関係しているのかについて、詳しく見ていきましょう。
ラック・サーバーとは
ほとんどのサーバーはラック(サーバー・シャーシとも呼ばれる)に設置されており、サーバールーム内でのアクセスを容易にするために、金属製のエンクロージャ内に積み重ねて設置できます。ラック・サーバーは通常、標準寸法であるため、管理者は標準ラック・エンクロージャ内に設置できます。ラックには複数のサーバーを収容でき、金属製エンクロージャ内に積み重ねてネジ止めされます。通常、これらのエンクロージャには、各サーバーに接続するモニター、キーボード、マウスが含まれており、管理者がサーバー・リソースに物理的にアクセスして構成することができます。
ソフトウェア定義のインフラやハイパーコンバージド・インフラを使用するデータセンターを含む最新のデータセンターでは、多くの場合、高さ 10 フィートの金属製エンクロージャにラック・サーバーが設置されています。ラック・サーバーは、標準的なタワー・サーバーよりも小さいため、いくつかのサーバーをスタックして 1 つのラックに収まるという利点があります。しかし、問題となるのは、複数のマシンが同じ場所に集約されることで発生する熱の量です。そのため、サーバー・クローゼットやデータセンターは、静電気や熱による損傷から機器を保護するために、十分な冷却・湿度監視が必要です。
ラック・サーバーは、FlashStack などのコンバージド・インフラ環境でよく使用されます。FlashStack は、コンピューティング、ネットワーク、オールフラッシュ・ストレージを単一のスケーラブル・ソリューションに統合します。
ブレード・サーバーとは
ブレード・サーバーはラック・サーバーに似ていますが、サイズが小さく、CPU、メモリ、ネットワーク・コントローラしか含まれていない場合があります。一部のブレード・サーバーにはストレージ・ドライブが搭載されていますが、ほとんどのエンタープライズ展開では、オールフラッシュ SAN、NAS、NVMe over Fabrics(NVMe-oF)ソリューションなどの高性能ネットワーク・ストレージと組み合わせて利用されます。これらは、ピュア・ストレージがモダンなデータセンター環境で推進している技術です。
ブレード・サーバーはラックに設置されるのではなく、サーバー・ベイに取り付けられます。この構造により、より小さなエリアにより多くのサーバーを設置できます。例えば、1 つのラックに 10 台しか設置できない場合でも、20 台のブレード・サーバーがブレード・ベイに収まることがあります。ブレード・エンケーシングはラックにマウントできますが、ラック・サーバーと比較して、より多くのブレード・サーバーを同じスペースに収容できます。
ブレード・サーバーは、大規模な処理クラスタによく使用されますが、多くの熱を発生させます。通常、ラック・サーバーやタワー・サーバーよりも高価であり、ハードウェアの損傷を防ぎつつ効率的に稼働させるために、十分な湿度管理と冷却インフラが必要です。
タワー・サーバーとは
デスクトップ・コンピュータは、タワー型です。デスクトップ PC とタワー・サーバーの違いは、コンピューティング・リソースにあります。サーバーは、CPU のパワーと高速メモリを多く備えているため、複数のユーザー要求を同時かつ迅速に処理できます。サーバー・タワーには、トラフィックをルーティングしたり、複数のネットワーク・セグメントにアクセスするための複数の IP アドレスを取得するために、より多くのネットワーク・インターフェース・カードがある場合があります。
中小企業や個人は通常、タワー・サーバーを使用します。ラック・サーバーやブレード・サーバーとは異なり、フル・デスクトップ・コンピュータは、多くのスペースを必要とします。タワー・サーバーは、インストールが容易です。デスクトップ・コンピュータと同様にネットワークに接続するため、ラックは不要です。標準的なデスクトップ・コンピュータのように見えても、異なるサービス(Active Directory、DHCP、DNS など)を提供します。
タワー型コンピュータの大きな欠点は、複数のサーバーをサポートするために必要なスペースです。また、独自のモニター、キーボード、マウスも必要です。スイッチ・ボックスは、1 台のモニター、キーボード、マウスで使用できますが、各コンピュータにケーブルを直接接続する必要があります。
ブレード・サーバーとラック・サーバー:主な違い
ブレード・サーバーとラック・サーバーは、データセンターや大規模なエンタープライズのオンプレミス環境で使用されます。ブレード・サーバーはコンピューティング・コンポーネントが限られているため、ラックのより小さなエリアにより多くのサーバーを収容できます。ラック・サーバーは非常に広く、短いため、ラックの 1 つのセクションに 1 台のサーバーを収容できます。一方、ブレード・サーバーのベイでは、ラックの小さな部分内に 20 個のブレードを取り付けることができます。
ブレード・サーバーは高密度を提供しますが、高性能なストレージ・インフラと組み合わせると最もメリットがあります。NVMe-oF やピュア・ストレージのオールフラッシュ・ストレージ・アレイは、レイテンシーを低減し、ブレード・システムの可能性を最大限に引き出します。
ラック・サーバーとは異なり、ブレード・サーバーはホットスワップが可能で、クラスタ全体の電源を切らずに取り外して交換できます。これにより、管理者がブレード・サーバーを交換するか、メンテナンスのためにクラスタから削除する必要がある場合のダウンタイムが削減されます。
FlashStack のようなコンバージド・インフラ・ソリューションでは、ラック・サーバーを FlashArray と緊密に統合することで管理を簡素化し、性能を最適化できます。
ラック・サーバーは、個別に実行するために必要な全コンポーネントを備えた完全なマシンです。各サーバーはそれぞれ専用のケーブルや周辺機器が必要ですが、ブレード・サーバーはラックに接続された 1 本のケーブルで動作できる点が異なります。管理者は、単一のラック・サーバーをインストールしてサービスをサポートし、必要に応じてサーバーを追加できます。ラック・サーバーは、中規模企業に成長し、標準的なタワーから手頃な価格でアップグレードする必要がある小規模組織にとって有益です。
ラック・サーバーとブレード・サーバーは、湿度制御と冷却のコストが高くなります。ラックに追加するサーバーの数が多いほど、発熱量が多くなり、追加の冷却が必要になる場合があります。ブレード・サーバーは、当初インストールされたサーバー数に応じて、初期コストが高くなります。1 台のサーバーを購入して徐々にアップグレードしていけば費用を抑えることはできますが、全体としては、複数のブレード・サーバーのほうがラック・サーバーより高額になります。ブレード・シャーシは最大 8,000 ドル、ラック・シャーシはわずか数百ドルです。