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ビッグデータ・ビギナーズ・ガイド

構造化データと非構造化データ

データの定義およびデータに対する解釈が、この 10 年間で大きく変わりました。非構造化データの読み取り、保存、分析を行うための新たなツールの普及が一因となっています。

従来、非構造化データは、解釈が困難なことが理由で、十分に活用されていませんでした。新たなテクノロジーによって、非構造化データを理解することが容易になり、さらに、非構造化データという情報の宝庫から貴重なインサイトを引き出せるようになっています。

IDC によると、2024 年までに世界中で作成、取得、コピー、消費されるデータの総量は、毎年 149 ゼタバイトを超え、その多くは非構造化データであると予測されています。非構造化データを分析する能力を構築することで、恩恵を得られます。そのためにはまず、構造化データと非構造化データの違いを理解する必要があります。

両者の違いを簡単にまとめ、より詳細な説明を後述します。

特徴

構造化データ

非構造化データ

データの性質

通常は定量的

通常は定性的

データ・モデル

事前定義。いったん定義され、データが保存されると、モデルの変更は困難。

特定のスキーマは存在せず、データ・モデルは非常に柔軟。

データ形式

使用できるデータ形式は限られている

膨大な種類のデータ形式を使用可能

データベース

SQL ベースのリレーショナル・データベースを使用

特定のスキーマを持たない NoSQL データベースを使用

検索

データベースやデータセット内のデータの検索が容易

構造化されていないため、特定のデータの検索が非常に困難

分析

定量的なデータであるため、分析が容易

ソフトウェア・ツールを利用しても、分析は極めて困難

保存方法

データ・ウェアハウスに保存

データ・レイクに保存

Slide

構造化データとは

構造化データは、保持する情報について明確に定義されたスキーマがあります。非常に単純に定義すると、Google スプレッドシートや Microsoft Excel などの表計算プログラムで表せるデータは全て構造化データです。

この場合、データは行と列で表現されます。各列は異なる属性を表し、各行は単一のインスタンスの属性に関連付けられたデータを持ちます。行と列によって、容易に参照できるテーブルが形成されます。

異なるテーブルを連結することもでき、両方のテーブルに存在する共通の列によって関連付けられていることになります。

複数のテーブルを連続して組み合わせて関連付けることで、リレーショナル・データベースができあがります。例えば、デパートの顧客データ、売上データ、在庫データなどは、リレーショナル・データベースとして保存されている構造化データです。

  • 各顧客には顧客 ID のほか、氏名、連絡先、クレジット・カード情報、住所などのフィールドがあります。
  • 顧客データベースは、売上データベースと接続することができ、購入時刻、購入品のアイテム・コード、購入金額、顧客 ID などの属性を持つことができます。これらのテーブルは、顧客 ID という共通の属性で関連付けられています。
  • さらに、アイテム・コードという共通の属性を使用して売上データベースを在庫データベースに接続することで、リレーショナル・データベースに 3 つのテーブルを効果的に相互接続することができます。

このような構造化されたデータは、一般的にリレーショナル・データベース管理システム(RDBMS)に格納されます。データベースは、SQL(Structured Query Language)を使用して記述、読み取り、操作することができます。SQL は、1970 年代に IBM 社がメインフレームのデータベースをサポートするために開発した言語で、当初は、SEQUEL(Sequence English Query Language)と呼ばれていました。英語とほぼ同じように読めることからこう呼ばれるようになりました。現在の形の SQL は、Relational Software, Inc. 社(現 Oracle 社)によって広められました。

非構造化データとは

非構造化データとは、構造化されていないデータを意味します。構造化されていない全てのデータが非構造化データに分類されます。2025 年には、扱うデータの 80% がテキスト、音声、画像、動画などによる非構造化データになると予測されています。1

すなわち、非構造化データはモダン・データといえます。非構造化データには、次のような特徴があります。

  • 本質的にデジタルで、予測不可能
  • 常時生成され、動的に変化する
  • ブレンド、マルチモーダル、相互運用が可能
  • 地理的な分散により保護される

非構造化データには、構造を持つメタデータが関連付けられている場合があります。例えば、動画には、解像度、ビットレート、1 秒あたりのフレーム数(FPS)、所有者などのメタデータを関連付けることができます。しかし、動画自体は構造化されていません。構造化されたメタデータが関連付けられている非構造化データを、半構造化データと呼ぶことがあります。

YouTube の動画を例に挙げると、アップロードした日時、視聴回数(部分・全体)、評価の数といったメタデータが存在します。しかし、動画自体の内容、タイトルや説明文は構造化されていません。それらは、単純に数字だけでは捉えられないという特徴があります。

非構造化データ用のデータベースとして最もよく使用されているのが NoSQL です。NoSQL は「not only SQL」の略で、SQL データベースのケイパビリティを超えて、より広範囲のデータを扱えることを示しています。NoSQL データベースには、スキーマや表形式の構造はなく、データをグループ化するだけです。

 

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1https://www.cio.com/article/3406806/ai-unleashes-the-power-of-unstructured-data.html

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